スーパーあずさに乗って家路へ
自由席の後ろのお母さんは、小さな息子に電車の乗り方を一から細かく教えている
「ハイ」と賢く答えるボク、頭固くなっちゃうよ...
それにしても世のお母さんとはこういうものなのか?
切符を一枚渡され、改札で手を振ると冒険の始まりだった
方向音痴のわたしにとって、初めての一人旅は小学校三年生の時
しょっぱなから電車を間違え、いつの間にか当時特急の始発だった上野駅から遠ざかり、
いつもの風景と違うと感じながらも自分を信じて電車を降りなかったのを覚えている
少しずつ不安になった頃通りがかった駅員さんに聞くと、ビックリしてそのまま
上野の先の特急の停車駅まで連れて行ってくれた
一時間ほどだったかな、その定年間近の駅員さんと何を話していたんだろう
あの頃はいい時代だったとつくづく思う記憶だ
話は戻るがわたしの母は放任主義で、というより
ものすごく忙しい中頑張っていたのだと思うけど
わたしは色々なことを自分で学ばなければならなかった
母から教わった一般常識は数えられるほどで、
同年代の子と比べるとやや知恵遅れだったのではないかと思う
学校で教わるまで、' 時間 'を知らなかったほどだ
だからこそこんなドロップアウト人生を送っているんだろう
その代わり、人にはない感性を授かったと...思いたい
夏休み、野尻湖の真ん中でボートの上から「泳げ!」と言って降ろされたのも
きっと母なりの教育だったのだろう...
いや、ちがう...
ただ楽しんでいただけかもしれない
とにかくこんな大人になれたことを感謝しようと思う