September 14, 2022

中秋の名月


夕焼けを見ようと集まっていた人々は、
陽が沈むとそれぞれの寝床へ帰って行った

雲が真っ赤に焼けてくるのはこれからなのに…

心臓がガクガクするほど寒くなってくる

それでも辺りが群青色になるまで
空を眺める仲間が、今夜は四人もいた

ふいに、その内の一人が
何だあれは!と叫んだので振り返る

雲の割れ間を稲妻が昇ってくるので
四人で一瞬息をのむ

煌々と光る満月が顔を出す

四人の歓声があがる

この感動が有る限り、私はまだ
山に登ることができると思った