May 7, 2010

ainu



裸の人を透かしてみると、そこには血液やエネルギーが流れているのが見えるでしょう。
そこに一枚の無地の布を羽織らせた時に浮かび上がってくる生命力の流れが模様となりました。

by 小川早苗(アイヌ刺繍作家)



小学生の時、北海道でアイヌの文化に触れる貴重な経験をしたことがある。
アイヌの言葉や料理、歌や踊りや山での遊び方を教わり、お祭りにも参加させてもらった。

今回の旅で、自然と共に謙虚に生きてきたアイヌのことを教えてくれた早苗さんと再会した。
20年前にもらった早苗さんからの手紙をいつまでも大切にしていたのをふと思い出した。
そこには「アイヌの文化を正しく伝える大人になってね」って書かれていた。

私たち倭人は、アイヌを侵略をした歴史を持っている。
毛沢東がチベットを侵略したように、アイヌの土地と文化を奪ったことがある。
そして、今でもアイヌは人種差別で苦しんでいるってことを、私、知らなかったんだ。
だから子供の頃、平気で早苗さんを悲しませるような一言いっちゃったの謝りたかった。
もう、忘れているだろうから言葉にはしなかったけど、
早苗さんの背中をマッサージしながら心の中で思ってた、ごめんなさいって。

人種差別をなくすことが生きる糧になってるなんて悲しかったよ。
人が人に優劣をつけたり、差別や偏見がなくなるためには、自我をなくさなきゃいけないって思う。
自然の一部であるちっぽけな私は、あなたと共同体なんだって感じていられるようになりたい。

私も、早苗さんに教えてもらった刺繍をしながら、アイヌの素晴らしさを伝えていけたらいいな。