February 1, 2012

底から始まる ~ Looking back my way ~



「人と自然をひとつに」


10代の頃、空から降りてきた言葉

それを探し求めて、長い間旅してきたように思う

そしてその旅路で出逢ったボディーワークが、今は仕事になった



最初にはじめたエサレンマッサージでは、体を通して心に触れることを学んだ

知識もなく、何も考えず、ただアート感覚でするマッサージ


体を解放することで心が開いていく..


セッションの後にその人の瞳の奥にあるものが変わってることが嬉しかった

本当に触れてほしいのは「心」なんだって解った瞬間、胸の奥から熱いものが込み上げてきた



カラダへの好奇心はいつもあったように思う

ちょうどその頃に太極拳を始めて、身体の奥深さにも魅せられてた

もっと勉強したくなって針灸とマッサージの専門学校に通った

ただ「心」に触れるだけじゃ人は治せないっていう壁にぶつかってたから..


解剖学、生理学、病理学、臨床、経穴(ツボ)、東洋医学...

国家試験のための詰め込み式の勉強だったけど、楽しくてしょうがなかった

学校に通いながら、活気のある整体院でも働いた

スタッフが仲良く家族みたいで、それが患者さんに伝わっている治療院

今思うとみんな自然体で、コミュニケーション能力も高かった

体の不調の原因になってる筋肉を、運動生理学をもとにして治療していた

筋肉が透視できるまで鍛えられたけど、どんなに外から刺激しても治せなかった


体の不調はその人の「心」が変わらなければ変わらない...


その頃、久しぶりに仲のいい友達にエサレンマッサージをしたら、

「辛い所には的確にあたって気持ちいいけど、心に触れなくなった」 と言われた



初心へ戻ろう...


卒業と同時に私は旅に出た

その旅の途中で、「Don't think, Just feel」という言葉に出会う

そして「Just feel」にこそ自然な体のあり方が隠されていた

思考にとらわれることなく感覚に身を委ねたら、自然と人生の流れに乗っていて

宇宙と繋がっているという実感があった

心は満たされ、体の不調は全て消えていた

周りの人やものを心から大切に、優しく思えた

人として真のあり方だった


でも一方で、旅をしながら自然体でいることなんて簡単で、何故か虚しかった

この感覚をストレスを抱えて生きている人に伝えていけるか...

それが私に課題として突き付けられていた



帰国してから私は、都心の針灸治療院で働くことにした

都会のストレスは身体に顕著にあらわれていた

忙しい生活に追われ、無機質な人間関係や食生活、電磁波、不眠...

それらに屈する事なく笑っていられる強さが、都会の人の魅力なのかもしれない

でも表面では頑張れても身体に嘘はつけない


特に反応がでる脈やお腹の状態に触りながら、必要なツボに針灸をした

院長も先輩も腕が良く、沢山の人が通っていた

針灸で身体の不調を整え、自然なあり方へと導いていく

自然な呼吸、活発な内臓の動き、そして何より「心」にスペースをつくること

東洋医学の素晴らしさを教えてもらったことに感謝してる


そして自然体でいるために一番大切なことを、都会の中心で気がつくことができた


「ありのままの自分でいること」


答えはシンプルだった



都内の治療院を辞めた後、私は再び北米に行った

311後の日本の繋がりも大切にしたかったけど、ずっとエサレンに行きたかった

5回目の北米は、明らかに今までと何かが違っていた

それは多くの人がコミュニケーションにおいて、主張より調和を重んじていることだった

また人々が個人主義や競争社会を生き抜くことで失った「心」を取り戻そうとしていた


やっぱり繋がりこそがこの時代を乗り越えるテーマなんだ...

意識の変革を経て、新たな時代がやって来るのを感じてワクワクした


そして自然環境が私たちの心と体に影響してることを、もう無視できないと思った

治療をするときに、その不調が地球環境からきてるって感じる人はまだ少ない

私も体調が悪いのを生活環境やストレスのせいにしてきた


けど、私たちは自然との繋がりを実は失ってないこと

人は自然の一部でしかないんだってことに、気がついた

「人と自然をひとつに」は、ずっと前から、もうそこにあった


今、地球はあるべき姿に戻ろうとしている

もう一度、自然界が生き生きとしたエネルギーを放てるようにと...



自然が自然に戻ろうとする力は、常に私たちの体を包み込んでいる

その空気が私たちを癒している


私たちの体と心は、自然界とともにあるということを意識して人に触れていこう

そしてわたしの体を通して、自然のエネルギーが伝えられるようになりたい